お客様の声:日立市民文化事業団さま

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「放っておいても職員が進化し続ける仕組みづくりができました。」
公益財団法人日立市民文化事業団 理事長 森秀男さま

日立市民文化事業団の理事長、森秀男さん。事業団の職員の本来の役割を見つめ直したとき、今最も必要なものは「教育」だと思い至りました。しかし、何をどうしたらいいのか。そんなとき、日立市民の生涯学習活動を推進する「ひたち生き生き百年塾」などでファシリテーターを務めていた、株式会社一円デザインの坂本健介氏の顔が浮かびました。一円デザインの教育研修プログラムを導入してどのように変わったのか、森さんにお話しをうかがいました。

日立市民文化事業団とは…
文化の担い手は市民であるとの考えから、広く市民から募った募金を基本財源として、昭和51年文化の日に誕生しました。地域文化の振興を推進し、広範多岐な優れた芸術作品の観賞機会を提供するとともに文化に関する情報の収集と提供に努めています。また、平成18年度より、指定管理者制度のもと、日立市民会館、多賀市民会館の指定管理者として管理を行なっています。

もくじ

  • 以前の悩み…「職員」であるべきスタッフが「職人」に
  • 人を育てる研修なら教育者の人間性こそ不可欠な技量
  • 最初は戸惑っていた職員から「ありがとう」の言葉
  • たった5回の研修で人が変わり、職場が変わった
  • 文化による街づくりを支える職員を育て続けるために

以前の悩み…「職員」であるべきスタッフが「職人」に

―― 一円デザインに研修を依頼する前に抱えていた問題とは?

 当事業団は昭和51年11月3日に市民の募金を基本財源に立ち上げました。設立の理念にも「日立市民の文化の向上を熱望する草の根運動の中から生まれた」とあるように、当時私を含めた立ち上げメンバーには志と熱い想いがありました。現在は指定管理者として二つの市民会館の管理を行なっております。本来、市民の文化活動を支援するために誕生した事業団ですが、市民会館の管理業務を行なううちに日々の業務に追われ、本来の目的を見失っていました。

 そして、いつしか職員はルーチンワークをこなすばかりの「職人」になっていました。立ち上げメンバーが持っていた長期的ビジョンを描くことや問題解決へのチャレンジ精神を大事にすることが疎かになっていたように思います。働く職員の能力や人間性も高く、誇れるものがあるのですが、彼らの力を活かせていない職場になっていました。

 市民会館は日立市民の文化の殿堂です。よりよい文化の提供を通して、市民の役に立つ人材でなければならないのに、その使命を忘れてしまったのです。
 その原因は教育不足です。誕生時の理念は壁に貼っておくだけでは職員の中に浸透しません。職員が理念を学び、深める機会を設けてこなかった私の責任です。職員にはこれまで本当に申し訳なかったと思っています。日常業務をこなすだけでは、楽しい職場じゃなかったはずですから。

―― 理事長ご自身で解決することは考えなかったのですか?

 私は教育のプロではありません。熱い思いはあっても、それを職員一人ひとりの中に根づかせる技術は持ち合わせていません。何事も生兵法は怪我のもとです。

人を育てる研修なら教育者の人間性こそ不可欠な技量

研修風景その1

―― なぜ一円デザインに依頼したのですか?

 坂本さんとは「ひたち生き生き百年塾」などで何度もお会いしています。ファシリテーターとしての技量は私自身が体験していました。私が相談した今回の内容についても、よく調査し、先進事例や文献を集めて、「こうあるべき」という仮説を用意してくれました。そのおかげで非常に短期間で課題について深めることができたんですね。私はこれといって資料を出したわけではなく、数回会って話をしただけなのに、ここまで課題について掘り下げることができたのは、彼の優れた能力の証左でしょう。

 しかし、決め手はもっと大事なことです。

―― 知識や技術以外に大事なこととは何ですか?

 それは人間性です。社会に役立つ人を育てるためには、教育者も社会に対して思いのある人でなければ、その教育は「ハリボテ」に過ぎないのではないでしょうか。

 教育とは知識や技術があれば成功するというものではありません。人はロボットとは違います。

 坂本さんは研修を行なう際、「人間」を基本にしています。高い視座で話のできる人ですが、人の感情にスッと寄り添える人でもあります。

最初は戸惑っていた職員から「ありがとう」の言葉

―― 研修を導入したとき、職員の皆さんの反応はどうでしたか?

 通常の業務にプラスするかたちで行なったので、初めは戸惑いもありました。しかし、私が最も怖れていたのは、職員が「理事長にやらされている」という感覚から抜け脱せないのではないかということでした。人に強要されたことは身につきませんし、不満も募ります。

 ですから、私は研修の冒頭で挨拶をしたぐらいで、研修自体には一度も参加していません。

 とはいえ、坂本さんには毎回、詳細なリファレンスをお願いしたので研修の内容は把握しています。

 研修内容は、私が注文をつける必要はありませんでした。研修を始めてもらう前に、職員が到達して欲しい着地点についてじっくり話し合いましたが、研修内容はそれを実現させるものになっていました。
研修風景その2

―― では、職員の皆さんの反応はどう変わりましたか?

 私の知らないうちに職員の心に火がついたようです。「やらされている」のではなく、一人ひとりが自ら動き始めました。

 職員の一人からはこんな感想をもらっています。
 「最初は社会的使命と入場者を増やすことの関係がよく理解できていなかったが、今ではよく理解できる。研修のある日に行なっていた職員会議は今後も続けていき、課題等を発見し、それに対する方針を作って方策を実行していきたい。」

 職員一人ひとりの自覚が改まり、問題解決に自ら挑戦する気風がよみがえってきました。

 また、「この研修を受けさせてくれて、ありがとう」との声ももらいましたよ。嬉しかったですね。

たった5回の研修で人が変わり、職場が変わった

―― 研修は1ヶ月に1回、合計5回のプログラムでした。修了して、どのようになりましたか?

 学びは人を変えます。ある朝、若い職員が髪型をすっきりとさせて出社してきました。誰一人、彼に注意したことはありませんし、私自身、髪型は気にも留めていませんでした。それでも彼は自分で「日立市民文化事業団の職員に相応しい髪型」を考えて、散髪してきたのです。他にも変化の例を挙げればキリがありません。職場はイキイキとし、市民からの評判も上がりました。

―― それは大変な変化ですね。

 現状が変わっただけではありません。職員は今まで学んでこなかったことを反省し始めました。自発的にもっと学びたいと言っています。これは未来を変えることになります。こうなると、私が何かをする必要などありませんね。

―― 費用対効果はあったと言えますか?

 事業団の運営には血税が使われている部分がありますから、あまりお金は使えません。最終的には研修に理解のある寄付金により実現したのです。職員のためということはもちろん、日立市民と街の未来のためにです。

 坂本さんには、少ない予算ではありましたが、それ以上のことをやってもらいました。

 私自身も、職員に熱を伝えたつもりが、職員から熱をもらえました。ですから、個人的にも費用対効果は大きかったと言えますね。

文化による街づくりを支える職員を育て続けるために

研修風景その3

―― これからは一円デザインをどのように活用していきますか?

 日本初の市民手づくりの文化事業団として誕生し、平成28年に40周年を迎えるため、記念誌を作る予定です。とはいえ、単なる記録では意味がありません。未来につながるもの、文化による国づくりの指針となるようなものを作りたいと考えています。100年先の市民が読んだときに、「こうして街の文化を作った人たちがいたのだな」と知って、誇ってもらえるようなものを作ります。

―― 「街の文化を作った人たち」には職員の皆さんも含まれますね?

 そうです。100年先でも「この職員たちなら納得だ」と思われるような事業団の文化を作っていきます。そのために一円デザインの研修プログラムは欠かせません。放っておいても進化し続けるシステムを作っておかなくては。一円デザインにはその一翼を担ってもらうつもりです。

―― お忙しい中、ありがとうございました。

*取材日2014年5月17日

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